コラム「ユネスコ世界寺子屋運動を通じて」
佐野ユネスコ協会
会長 熊倉 勝
ユネスコは1946年国際連合の教育、科学、文化の専門機関として設立され、第2次世界大戦の反省に立ち、設立憲章の中で「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」を制定しました。
ところで、世界寺子屋運動は1990年の世界識字年を機会に、「すべての人に教育を」のために、開発途上国の子供と読み書きの出来ない大人に学ぶ機会を作るための支援活動で、日本ユネスコ協会連盟が継続的に行っている事業です。
当時、世界で読み書きのできない大人が約9億8千万人(人口割合で4人に1人) いました。それが世界寺子屋運動の成果もあって、2017年には、約7億9600万人(人口割合で6人に1人)に減少いたしました。
世界寺子屋運動は、国内では「書き損じハガキ回収運動並びに募金活動」で行われています。書き損じハガキ11枚分によリカンボジアでは、1人がlヶ月学ぶことが出来ます。支援地域はカンボジア、ネパール、アフガニスタンなど44ケ国1地域で53の寺子屋を建設し131万人以上の人びとに学ぶ機会を作るなど多くの貢献を行ってきました。
佐野ユネスコ協会では、世界寺子屋運動が開始されて以来、会員を始め佐野市内公立小・中学校の児童・生徒並びにユネスコスクールの佐野日本大学中等教育学校の生徒達により継続的に「書き損じハガキ回収運動並びに募金活動」が行われてきました。この様な活動を通じて、佐野地域の児童・生徒が平和を愛するグローバルな素養を身につけた人材に育つことを期待しております。
※ 記載内容は「さの文化第15号」(令和2年3月31日発行)より転記しました